社交ダンスは、ペアで踊るダンスです。
最初に誕生した社交ダンスはワルツ (ウィンナワルツ)です。ヨーロッパの民衆が踊っていたダンスと言われています。ルネサンスのころにヨーロッパ各地で流行しました。
日本では明治の鹿鳴館時代に、外交政策から社交ダンスが必要になり、カドリーユやウィンナワルツなどウィーンの社交界スタイルのダンスが輸入され、上流階級らが踊るようになりました。
第二次世界大戦終戦後に進駐軍向けにダンスホールが多数開かれ、その後庶民も通い始めました。若い男女の出会いの場としてダンスパーティーが流行し、ジルバやマンボなどのアメリカンスタイルダンス(パーティーダンス)が踊られるようになりました。
1970年代にディスコなど形式が緩いダンスに若者の嗜好が流れ、社交ダンス教室はインターナショナルスタイルに特化していきます。社交ダンスは中高齢者に大半でしたが、1996年に公開された映画のヒットなどをきっかけに若者の人気も上昇し、現在では競技会や世界選手権なども行われています。ワールドスタイル、アメリカンスタイルを扱うなど、ダンススクールも多様化しています。
ダンスの種類
スポーツとしてルール化する必要性から、国際戦のあるスタイルではダンス種目数を限定しています。
日本で一番多く踊られている競技ダンスのスタイルは、イギリスを中心に発展普及したインターナショナルスタイル(International Competition Style Dancing)と呼ばれているもので、インターナショナルスタンダード、インターナショナルラテンアメリカンの2スタイルに分けられています。
さらにこの2つのスタイルはそれぞれ5種目ずつ、計10種目のダンスがあります。
スタンダード
- ワルツ (スローワルツ)
3拍子の音楽に合わせて、優雅でエレガントなダンスです。「ワルツに始まり、ワルツで終わる」と言われるように、社交ダンスの基本です。
- タンゴ (コンチネンタルタンゴ)
タンゴは、鋭いスタッカートの2拍子で踊ります。スタンダード5種目の中で、唯一上下動がないフラットな状態で、1歩1歩にアクセントを込めて踊ります。
- スローフォックストロット
4拍子の音楽に合わせて、大きくゆったりと歩いていくダンスです。カウントのとり方が難しいところですが、このテンポの取り方がこのダンスの魅力です。
- クイックステップ
テンポの速い音楽に乗り、フロアを駆け回るイメージのダンスです。ワルツのようなスイングダンスから、急に跳ねたり、走ったり、スキップしたり…軽快な動きが特徴です。
- ヴェニーズワルツ (ウィンナワルツ)
ウィーンが発祥の宮廷舞踏会で踊る、フロアをくるくると回っていくダンスです。ヨーロッパの舞踏会というイメージです。3拍子の音楽に合わせて踊ります。
ラテン
- チャチャチャ
マンボから発展したダンスです。4拍子の音楽で、1分間に30小節くらいの速さで演奏されます。カウントの早い踊りですが、楽しく感じるテンポです。
- サンバ (インターナショナルサンバ)
8拍子の音楽で踊ります。バウンズアクションという動きと、ドン・ドドン、というリズムが特徴です。
- ルンバ (キューバンルンバ)
ラテンダンスの中で、4拍子のバラード形式の音楽に合わせ、滑らかでゆったりとした動きが特徴です。愛を表現する踊りとして知られています。
- パソドブレ
スペインの闘牛とフラメンコをイメージしたダンスです。一般的に男性はマタドール、女性はケープ(時には闘牛)をイメージして踊ります。4拍子の音楽に合わせて踊ります。
- ジャイヴ
4拍子の軽快にスイングする音楽で、軽快なステップと明るいダンスが特徴です。ジャイヴは、アメリカの黒人街・ハーレムで誕生した「ジルバ」がルーツです。
ダンサーたちは、スタンダードでは反時計回りのライン・オブ・ダンス(LOD)に、ラテンではサンバとパソ・ドブレはLODに沿って踊りますが、他のダンスはその場に留まって踊ることが多くなっています。
現在、日本ではインターナショナルスタイルの競技ダンスが主流で普及してきたため、この10種目を指して「社交ダンス」と呼ぶことも少なくありません。
大会・メダルテスト
主な大会
- 三笠宮杯全日本ダンススポーツ選手権大会
- 日本インターナショナルダンス選手権大会
- アジアオープンダンス選手権
- ジャパンオープンダンス選手権
- ギャラクシーマスターズダンス選手権
- プロフェッショナル統一全日本ダンス選手権大会
メダルテスト
- アマチュアダンス技術検定